【Notice of today：最上のよろこび】

ドンヨリとした空。空を見上げても、大空からは元気をもらうことが出来なそうな１日。厚い雲の隙間に空を見ることは出来るのですが、オレンジ色を輝かせて昇る太陽を見ながら車を走らせていた昨日とはだいぶ違うとちょっぴり悲しいキモチに…。

お昼を過ぎても強い日差しは出て来ず、「重ーぃ感じの１日だなぁ～」なんて思っていると…。

お笑いコンビ〝ピース〟の綾部さん

少し脱線しますが。お笑いコンビ〝ピース〟の綾部さんをご存じでしょうか？第１５３回の芥川龍之介賞を受賞して〝芥川賞芸人〟となった又吉さんの相方さんで、わたしが大好きなひとです。

「アメリカでレッドカーペットを歩く」ために、ニューヨークを拠点に活動を続けている綾部さん。出演するある番組で、〝こんなやり取り〟をする場面があったんです。

撮影のため日本からニューヨークを訪れたテレビ局のスタッフさんが、「今日は曇ってますね」と一言。タイミングを合わせるように、撮影カメラはニューヨークの曇り空を映し出します。

すると綾部さん、お世辞にも「晴れている」とは言い難いＮＹの空を見上げて真顔で言ったんです。

「ぼくには曇っているようには見えないですけど」

わたしは綾部さんが本気で言ったと思っていますが、もしかしたらテレビの演出かもしれません。半分が本気で、残り半分はお笑い芸人としての仕事がプラスされたものなのかもしれない。本当のところは知る由もないわけなのですが、わたしは「素敵だ」って思いました。

「２年」ってあっという間？？

〝いつもは車通勤なのに、雪が積もったから歩いて通勤したお話〟とか、〝薬局の外で草刈りをしていたらカマをプレゼントしてもらったお話〟とか、これまでにも〝普通の日常〟のなかで起こった私にとって素敵な出来事をご紹介してきました。これからさせていただくお話も、普段と変わらないと感じがちな日常に起こった「素敵な出来事」です。

「ひさしぶり！」と薬局に入ってきた女性。「お久しぶりですね～」と女性スタッフの声が続きます。そのやり取りを奥のほうで耳にした私は、笑顔で対応するスタッフの顔はすぐに想像することが出来ましたが、やってきた女性のことは「どなたがお見えになったのだろう？」と❔マークでした。

すぐに呼びに来てくれたスタッフに反応して顔を出した私に、薬局に顔を出してくれたその女性は「ひさしぶり～、元気にしてた？」と声をかけてくださったのです。「元気かな？と思って顔を出しに来たの」と、決して丈夫とは言えない足腰をかばいながらこちらへ寄り添ってくれるその女性の顔は、とてもニコやかで太陽のような表情を浮かべています。その方のお顔を拝見したのはなんと２年以上も前のこと。いつも親しげにお話をしてくださる方だったので、「そんなに間隔が空いていたなんて」と時間の経過の早さに少し戸惑いました。

終始「元気だった？」と声をかけてくださり、帰り際の一言は「元気そうで良かった！じゃあね～」です。返す言葉は「お気を付けて～」が精いっぱいだったんです。

話の舞台は薬局です。体調のお話を切り出すのは、十中八九、ほぼ１００％こちら側が主導で起こるものなのです。それが、この時ばかりは全くの逆。最初から最後まで、ホント終始スタッフのことを気にかけていただくなんてことは、実に稀な出来事です。完全な受け身になってしまった私は、何１つして差し上げることは出来ず、ただただ心を癒していただきました。

こういった出来事が起こると、どこか救われた気持ちになるんです。毎日で当たり前にこなしていく１つ１つの業務も、良い事・悪い事を重ねてきた１ページの積み重ねも、「あぁ、良かったな」って。

さっきと同じ曇り空だけど…

自動ドアの向こう側に女性の背中が見えなくなると、ドアの向こう側にがさっきまでと変わらない曇り空が見えます。女性の滞在時間は１０分、いや５分程度だったかもしれません。天気が大きく変わるはずもありません。

でもね、さっきまでと同じ曇った空でも、その女性とお話しをさせていただいた後に見た空は晴天に見えてくるんです。雲の隙間から明るい陽の光が降り注いでいるんです。不思議でしょ？

良いことばかりではないけれど、大好きな場所で大好きなことをしているピースの綾部さんがおっしゃっていたのは、まさに同じことなのではないでしょうか？

今日という１日に、素敵な出来事が訪れますように。

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