3つの備え【認知症】を知る・予防・対応。3冊の本が教えてくれること
(2019.9.13更新)
【Notice of today:心を傾ける】
お聞きになったことはありますか?
『人生100年時代』
というフレーズ。
長生きが出来る国、それが日本です。
〝超高齢化〟が叫ばれている日本。こんなデータがあります。
【認知症発症率〝No.1〟】
2017年、日本は〝喜ばしくない〟No.1の称号を獲得してしまったんです。
先進国のなかで認知症発症率No.1…。
もくじ
📚人生100年時代の到来
「長生き出来ること=万々歳」。
自分の人生が100年あるとして…
私たちは一体、人生100年をどのように生き抜いていけば良いのでしょうか?
果たして、「長生き大歓迎」とした〝定義〟は成り立つのでしょうか?
考えれば考えるほどに不安に感じてしまう私。
いくつかの本を手に取ってみることにした
のです。
前に読んだことがある本。
初めて手に取った本。
認知症関連の本に手を伸ばしてみました。
気になり手に取ったのは【3冊の本】。
この3冊を通じて、少しずつ考えてみようと思ったのです。
📚認知症は他人事ではない
先程も述べましたが、日本の高齢化は〝超〟がつく
〝超高齢化〟
です。
日本の高齢化は、アクセルをグングン踏み込む加速段階。スピードはさらに増すばかりの状況🚘
しかも傍らには、「認知症」という伴走者まで連れていて…。
日本の現状は、
〝高齢化〟と〝認知症〟を切り離して考えることが出来ない状態
となっているのです。
高齢化と認知症の問題は、今後も更に大きくなっていく。この点に、もはや疑う余地はありません。
人生を100年で考えないといけない時代。
「認知症なんて自分には関係ない」と、言い切れますか??
📚認知症3つの備え。知る・備える・受け入れる
不安を煽っているわけではありません。
ただ率直に、
「自分は大丈夫だろうか?」
と感じています。
「自分の親は大丈夫?」とも考えます。
仕事仲間と〝そういった不安〟について語らう機会も増え、
「もっと知っておかないといけない」
と思うようにもなりました。
いつか直面するかもしれない、物忘れや認知症。
〝これから〟を考えるために、まずは知ること。そして、備えておくこと、受け入れること。
私たち1人1人が同じベクトルを持って社会を作り上げていく。
【知って・備えて・受け入れる】を見つめてみませんか??
📚読書の時間が惜しくない1冊
📕わたしのオススメ➀「認知症を〝知る〟」(症状)
・認知症と共に生きるひとを近くで支えていらっしゃる方(パートナー)へ
・認知症と共に生きるひとと接する機会のあるお仕事をお持ちの方へ
・認知症の現実を学びたいお気持ちをお持ちの方へ
★「こころ」の名医が教える 認知症は接し方で100%変わる!(単行本)
【オススメ度★★★★★】
IDP出版より発刊されたこちらの本。著者は吉田勝明さん。
老年病専門医(高齢者の医学を実践できる医師)の認定資格をお持ちになっている吉田さんが、
実際に数多くの認知症の方々と触れ合うなかで学ばれたことが温かい言葉で綴られている1冊。
本の題名にある「こころ」という言葉。わたしが大好きな言葉で、このワードに惹き付けられるように手に取った1冊です。
冒頭に記された、認知症と診断され入院にて治療を受けている方々へとおこなったアンケート。「退院したいですか?」の答えは…
高齢者の自殺率の高さと認知症との関係。〝家族と同居している高齢者〟の自殺率が高いわけは?このことが意味するものとは…
認知症と共に生きる方々を取り巻く環境が、〝高齢者病棟25年の答え〟として〝とてもリアル〟に書かれています。
著者である吉田さんのモットーは
【おひとりおひとりの世界観を尊重し、その方に残っている能力を引き出してあげる】
というもの。
この想いを内に秘めて、実際に取り組まれてきた実例が数多く記されています。
⭐お気に入りポイント ⭐
すべてが温かい言葉で綴られています。テーマの重さとは反比例して、読み進めていくことが重くない。内容は心にズッシリとくるものですが、入り込みやすく構成されています。ハッとさせられる内容もとても多く、新しい気付きを得ることが出来る1冊です。
認知症のリアリティが詰まっていますが、本のなかの一言×2に著者吉田さんの「こころ」が込められているのが感じ取れます。
読み進めていくうちに、気持ちが温かくなっていくのを感じていただけるのではないでしょうか?
本書は、未病改善を掲げる神奈川県で2011年より知事を務めた黒岩氏の推薦書になっています。
※未病:健康と病気の間で、特に定めのない、曖昧になっている状態のこと
「こころ」の名医が教える 認知症は接し方で 100% 変わる!をamazonでお探しになる方はこちら
【オススメする背景にあったもの】
キーパーソンは〝第三者〟
わたしが認知症を考えるとき、まず1番に思い浮かぶことがあります。
認知症と共に生きている方の〝そばにいるパートナー〟の方のお気持ちです。〝ご家族〟であったり、〝介助人〟として携わっている方々、〝第三者〟の想いです。
ご家族と一言で言っても、当事者との関係は様々です。配偶者であったり、息子・娘であったり、生活を共にするお孫さんであることも…。
薬局スタッフとして接する場合、コミュニケーションをとる相手となるのは当事者よりもキーパーソンであることのほうが圧倒的に多くなります。第三者となる方々とのコミュニケーションは必須で、欠かすことは絶対にできないことなのです。
この本は、第三者となっている方にこそ読んでいただきたい1冊です。
読書に割く時間が惜しくない1冊
📕わたしのオススメ➁「認知症に〝備える〟」(予防)
・物忘れ、認知症が気になるようになってきたと感じている方へ
・パートナーとして〝認知症対策になるもの〟をお探しの方へ
・なにか始めておきたいとお考えの方へ
★毎日脳トレ!漢字ドリル366日(単行本)
【オススメ度★★★★】
〝脳科学者〟で諏訪東京理科大学〝教授〟の篠原菊紀さんが監修した1冊。
NHKの「ためしてガッテン」「クローズアップ現代」にはじまり、「スッキリ!!」「奇跡体験アンビリバボー」など数多くの番組への出演・監修に携わっている篠原さんは、自らを〝はげひげ〟と名乗っています。
このニックネームがズバリ的を得た?身なりで、この本の表紙をにこやかに飾っています。
篠原菊紀さんのブログ名は、「はげひげの脳的メモ」です。
篠原さんのブログはこちら ☞☞☞ https://higeoyaji.at.webry.info/
「脳はカラダと同じで鍛えれば成長する!!」
とのお考えから考案された、わたしたちにとても馴染みのある
〝漢字ドリル〟を使って脳活性に取り組む
ことが出来る1冊です。
⭐お気に入りポイント⭐
漢字ドリルを使った脳の活性化には意味がある。「センスオブノーイング」という、頭のなかにある「懐かしい感じ」をうまく活用することが出来るのが漢字ドリルなんだそうです。漢字ドリルは誰もが経験してきているものですから、懐かしさ(=過去の記憶)を刺激するという考え方に思わず納得、うなずけました。
繰り返し「見る・考える(思い出す)・書く」といった複数の段階を踏んでいくことで、〝脳の活性化をしやすい状態を作り出すことが出来る〟とも記されています。
〝脳を働かせることを目的とした内容〟となっているので、問題のレベルは簡単ではなく
「正解率が50~75%になるように構成された1冊」
とのこと。
私個人的には「かなり難しいな(汗)」と感じましたが…。
みなさんにはどうでしょうか?
相応の難易度なので、3日坊主にならないためのしかけも。〝小さな達成感を感じることが出来る工夫〟がなされています。
〝取り組んだ日付〟や〝1ページにかかった時間〟をメモするための【達成表】が付属
されていたり、所々に読みや図を用いた問題が入った構成になっていたりと、
ただ漢字を書き込んでいくだけの1冊にはなっていません。
脳科学者によって作られた1冊ですから、こういった構成の部分で一般的な漢字ドリルとは大きく異なっています。
※達成表の文字・グラフが小さいので、ご年配の方にご利用いただく場合には“ご家族が拡大コピーする”などしていただくと◎
1日1分でもの忘れ予防 毎日脳トレ! 漢字ドリル366日をamazonでお探しになる方はこちら
【オススメする背景にあったもの】
みんな不安なのが認知症
これまで私は、調剤薬局という場所で〝物忘れ〟や〝認知症〟のお話しをされる大勢の方々を見てきました。
ちょっとした会話のなかに物忘れ・認知症のフレーズが出てくる場合や、1時間近く心配を語られていかれるケース。ご家族からのご相談であったり・・・
悩みの度合いには大きなバラつきがありますが、すべてのひとに共通していることがあります。
不安。「これからどうなるのか?」という〝不安〟を伴っているということです。
個人差はありますが、不安というものは「時間が経てば解消される」というものではなかなかありません。解消されずに放置しておくと、不安がドンドン×2大きくなっていって…。
〝なにか行動を起こす〟ことで、若干かもしれないですが、不安が軽減できることもあるかもしれません。
スタートは、出来ることから、やれることから。
読書に割く時間が惜しくない1冊
📕わたしのオススメ③「認知症を〝受け入れる〟」(対応)
・映画化されているこの物語。まだこの映画を見たことがないという方へ
・家族、恋人、親友…〝大切なひとを想う〟を改めて見つめ直したいという方へ
・「認知症を考えるためのキッカケを見つけたい!!」と考えている方へ
★きみに読む物語(単行本・文庫)
【オススメ度★★★★★】
出版社:新潮社(単行本)・SBクリエイティブ(文庫)
(著)ニコラス・スパークス (翻訳)雨沢 泰
あなたに是非手に取っていただきたい1冊なので…多くは語れません。
アルツハイマー病を患っている老女と、1人の男性との物語。彼女に〝調子が良い1日〟が訪れると、同じ施設へ入所している男性が〝ノートに書かれた物語〟を読み聞かせにやってきます。
男性と女性、2人の関係は??
ノートに書かれた物語とは一体??
認知症を患った1人の女性を中心に進んでいく、〝想像をはるかに超えていく〟壮大なストーリー。
限りなく少ない情報ですが、〝少しでも興味を持たれた方〟は、たった今から
〝物語の情報を収集せずに〟本を手に入れ、早速読み始めていただきたい。
amazonなら中古品を1円から手に入れることが出来ます(送料別)。ぜひ。
※先に述べたように、この物語は映画化されています。ストーリーを知らない方は、是非とも本からスタートしてください
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【オススメする背景にあったもの】
見えてくるもの
〝認知症〟について考える時、私にはいつも真っ先に浮かぶことがあります。
それは、認知症と共に生きる方をそばで支えているひとの気持ち(こころ)です。これ以外にありません。
特に、1番近くで、最も多くの時間を共有してお過ごしになられている方の想い。
調剤薬局を働く場所にしている私、スタッフに必要なのは、お薬を受け取りに来られたご家族、付き添いで来られた方々への気配りや配慮だと思っています。
認知症の方々を取り巻く社会を作っている私たちに必要なのも、やはり〝思いやり〟なのではないでしょうか?
認知症と共に生きる方々の背景には、〝その方を支えている誰かが必ずいる〟。このことを忘れてはいけないと思うのです。
ご紹介した1冊が、あなたの一助になれば幸いです。
【番外編】
★きみに読む物語 もうひとつの愛の奇跡(単行本)
出版社:アーティストハウス
きみに読む物語には【続編】があり、個人的にはこちらの続編のおすすめ度が高かったり…。
最初のストーリー(きみに読む物語)を知ったうえで、続編へと読み進めて欲しい。そのため、番外編でのご紹介とさせていただきました。
〝きみに読む物語〟を気に入っていただけましたら、是非ともこちらも。
一生に1度、手に取って損はない1冊
です。
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